Stataによる医療系データ分析入門 第2版

Stataによる医療系データ分析入門 第2版


20XX年のパンデミック:致死的感染症との闘いから考える未知のパンデミックへの備え

20XX年のパンデミック
致死的感染症との闘いから考える
未知のパンデミックへの備え



新型コロナ データで迫るその姿 エビデンスに基づき理解する

新型コロナ データで迫るその姿
エビデンスに基づき理解する



〈新型コロナウイルス対応改訂版〉パンデミックを阻止せよ!

新型コロナウイルス対応改訂版
パンデミックを阻止せよ!



ゼロからはじめる臨床研究論文の読み方―研究デザインと医学統計の必須ポイントがよくわかる

ゼロからはじめる
臨床研究論文の読み方
―研究デザインと医学統計の
必須ポイントがよくわかる



外来でよく診る 病気スレスレな症例への生活処方箋 エビデンスとバリューに基づく対応策

外来でよく診る
病気スレスレな症例への生活処方箋
エビデンスとバリューに基づく対応策



医師が知りたい医学統計

医師が知りたい医学統計


みんなが信じている健康法のウソ

みんなが信じている健康法のウソ

慈恵 分子疫学研究室

2024年1月11日

NHKワールド「Medical Frontiers」にてThe Power of Vitamin D: From Osteoporosis to Cancerというタイトルで私たちの研究が取り上げられました。放映予定は以下です。

<NHKワールドでの放映(*すべて日本時間)> *28分番組
2024年1月15日(月) 23:30-
     1月16日(火) 05:30- / 12:30- / 18:30-
     1月20日(土) 04:00-
» The Power of Vitamin D: From Osteoporosis to Cancer

*各国の視聴時間を考慮し、複数回放映されます。
*それぞれの時間に上記ページにてライブストリーミング配信されます。
*この番組HPを活用したSNS等での告知も可能です。
*放映終了後は1年間、以下のページ内にていつでも無料でオンデマンド視聴が可能です。
当日見逃した方でも、自由な時間にご覧いただけます。
» NHKワールド(Medical Frontiers)

〜 テレビでのご視聴について 〜
*日本国内は、J-com等ケーブルテレビで番組契約されている方はご覧頂けます。
海外での視聴につきましてもケーブルテレビの契約状況によります。
<NHK BSでの放映>
2024年2月10日 (土) 午前 4:30- (英語版のまま放送されます)


2023年7月6日
講演会のお知らせ

9月10日にウェブセミナーにて「ビタミンDで癌死を減らせるか?」と題した講演会を行います。

日時:9月10日(日)10:00 〜 12:00
場所:Zoom 参加無料

参加申込
ポスター(PDF)




2023年1月23日
出版のお知らせ

Stataによる医療系データ分析入門 第2版
Stataによる医療系データ分析入門 第2版

浦島充佳著
発売日:2月9日

Stataを使いこなし、医療現場でのデータを分析して臨床研究論文を執筆し、ジャーナルでのアクセプトに至るまでを実践的に解説。
改訂にあたり、「Stataを用いた分析で論文を執筆する際のポイント」を設け、著者自身の実体験を基に、読者が論文を執筆してアクセプトされるまでの具体的なアドバイスを掲載した。
各章で扱われる具体例は、COVID-19等、最近の臨床研究にアップデート。
ExcelなどのデータのStataへの変換の仕方も丁寧に説明した。Stata 17に対応。

改訂にあたって(PDF)


2022年11月02日
出版のお知らせ

20XX年のパンデミック
致死的感染症との闘いから考える未知のパンデミックへの備え
20XX年のパンデミック:致死的感染症との闘いから考える未知のパンデミックへの備え


浦島充佳著

20XX年、新型ニパウイルス感染症が発生!
そのとき何が起きるのか?

新型コロナ、SARS、ニパ感染症、エイズ、エボラ出血熱、天然痘……
人類が経験してきたパンデミックには、ターニングポイントとなる出来事があった。
そしてその出来事のさらに上流には、一見些細な要因と得難い教訓が存在する。
この教訓を、未知の感染症対策として活かすことはできないだろうか。
本書では、パンデミックの裏で紡がれた人間ドラマに焦点を当てるとともに、ありうる未知の感染症パンデミックの可能性を仮想シナリオとして提示し、日本と世界の対応をシミュレートする。
ウィズコロナを見据えながら、過去のパンデミックに学び、「パンデミックX」への備えの重要性を説く。


2022年10月24日
JAMA Network Open に論文が掲載されました。

日本は高齢者が多いのに何故コロナ禍超過死亡率が低かったのか?
米英はワクチンや治療薬を開発したのに何故コロナ禍超過死亡率が高かったのか?
上記についての論文が以下にて掲載されました。
Association Between Life Expectancy at Age 60 Years Before the COVID-19 Pandemic and Excess Mortality During the Pandemic in Aging Countries
公開日: 2022年10月19日
簡単な内容の解説(PDF)

以下のメディアでも紹介されています。
日本経済新聞
時事メディカル


2022年10月13日
講演会のお知らせ

10月30日に以下の通り慈恵祭にて『パンデミックの物語』と題した講演会を行います。

10月30日(日)14:00 〜 15:30
東京慈恵会医科大学西新橋キャンパス
大学1号館講堂(3階)


詳細は公式HPポスターにてご確認ください。

公式HP
ポスター(PDF)


2021年7月6日
オンラインレクチャーのお知らせ

3月に「新型コロナ データで迫るその姿」を化学同人より出版しました。 それ以降も国内外の情勢は目まぐるしく変化しています。3月以降の状況なども含めてオンラインレクチャーをする予定です。興味のある方はご参加いただけますと幸いです。

日時:7月16日(金)19:00 〜 20:30
タイトル:◆新型コロナのココが知りたい◆浦島充佳先生 オンラインレクチャー〜データで迫る新型コロナの「正体」〜
詳細


2021年2月26日
出版のお知らせ

新型コロナ データで迫るその姿 エビデンスに基づき理解する
新型コロナ データで迫るその姿 エビデンスに基づき理解する

浦島充佳著
ISBN: 978-4759820638
発売日: 3月10日

Kindle版も配信されています。

締切に間に合うぎりぎりまで医学論文の科学的エビデンス収集・公開データの統計解析を行い、 「国内外のデータを分析して新型コロナの姿に迫り、さらに科学的根拠、すなわちエビデンスに基づき新型コロナを理解する」ことを本書の目的としております。

ファクトを積み重ねることにより真実がみえてくる。真実が見えてくると未来がみえてくる。
このファクトを読者のみなさんとシェアすることにより、個人レベル、あるいは自治体、国レベルでよりよく対処できるようになるのではないか。
コロナ禍にあって、微力ながらも世のため人のために貢献したいというのが本書執筆の最大の動機です。

第1章 新型コロナを知る
第2章 感染症数理モデルから考える新型コロナ対策
第3章 なぜ新型コロナ死亡率は国によって数十倍以上違うのか?
第4章 mRNAワクチン
第5章 新型コロナは人類共通の脅威である
第6章 120年スパンでみるとコロナ禍で死亡率は増えていない
第7章 専門家の意見をどう政治決断に活かすか?


2020年10月12日
書籍のご案内

新型コロナウイルス感染症に対する日本政府の取り組みを中心に検証してきた成果を報告
共同主査として作成に関わりました

新型コロナ対応・民間臨時調査会 調査・検証報告書
新型コロナ対応・民間臨時調査会 調査・検証報告書


一般財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブ著
発売日: 10月23日

武漢邦人救出、ダイヤモンド・プリンセス号対応、水際対策、大規模イベント中止・一斉休校、緊急事態宣言、経済対策、緊急事態宣言解除、PCR等検査、医療・介護体制、政治家と専門家の共同作業、政府と都道府県・自治体の連携、国際社会との協調など、日本はどのような危機や困難に直面していたのか。官邸(内閣官房)、厚生労働省、内閣府、経済産業省などの政府、専門家会議、都道府県、医療関係者は、この難局をどう乗り越え、成果を上げたのか。ベストプラクティスは何か。あるいは、対応がうまくいかず、課題を残したところはどこか。教訓は何か。それらを検証した調査・検証報告書です。


2020年06月23日
出版のお知らせ

〈新型コロナウイルス対応改訂版〉パンデミックを阻止せよ!
〈新型コロナウイルス対応改訂版〉パンデミックを阻止せよ!


浦島充佳著
ISBN: 978-4759816846
発売日: 6月20日

新型コロナウイルス感染症の内容を加えて緊急改訂!
2019年12月 中国・武漢で発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、瞬く間に全世界へと拡大した。この未曾有の危機にどう向き合えばよいのか。本書では、感染症封じ込めの理論や感染拡大の数理モデルを解説したうえで、スペイン風邪、SARS、エボラ出血熱など、実際に発生したアウトブレイクの事例から、感染症封じ込めの経過を検証、危機管理のあり方を考える。『パンデミックを阻止せよ!』(2012年刊)に、「新型コロナウイルス感染症」の内容を加えて緊急改訂!


2020年03月23日
Forbes Japanにて新型コロナウイルスの記事を掲載しました

3月19日 20:00
日本で新型コロナが「感染爆発」しない理由

2020年03月19日
Forbes Japanにて新型コロナウイルスの記事を掲載しました

3月18日 11:00
先端技術より「ローテク」が効く。SARS封じ込めに学ぶコロナ対策

2020年03月02日
Forbes Japanにて新型コロナウイルスの記事を掲載しました

2月27日 20:00
政府の動きで死者数が8分の1に。スペイン風邪の疫学データからみる新型コロナ対策

2月29日 10:30
休校は本当に有効?新型コロナ対策を最新症例データから分析

2020年02月12日
書籍のご案内

パンデミックを阻止せよ!―感染症危機に備える10のケーススタディ
パンデミックを阻止せよ!―感染症危機に備える10のケーススタディ


SARS、パンデミック・インフルエンザ2009、鳥インフルエンザ、エボラ出血熱など実際に発生したアウトブレイクの事例を検証し感染症危機管理のあり方を考える。


2020年02月10日
新型コロナウイルス感染症について

PDFダウンロード

Epidemic curves(感染症流行曲線)
無症候性・不顕性感染例の存在について
子どもが感染しても発症しにくい理由
武漢・湖北省で死亡率が高い理由について
日本の中で既に無症候性・不顕性感染の患者が拡大していたとしたらどうなるか?
2009年インフルエンザパンデミックとの違い
国内の今後の予測


2020年02月04日
出版のお知らせ

ゼロからはじめる臨床研究論文の読み方―研究デザインと医学統計の必須ポイントがよくわかる
ゼロからはじめる臨床研究論文の読み方―研究デザインと医学統計の必須ポイントがよくわかる


浦島充佳著
ISBN: 978-4489023309
発売日: 2月8日

はじめに(PDFダウンロード)

若手医師&医学生のための、臨床研究の論文の見方・読み方が学べる本。

論文を読むために知っておくべきこと――
研究デザイン、生存解析・カプランマイヤー生存曲線、ログランク検定、95%信頼区間、P値、バイアスといった知識――

を確かなものにした上で、実際の医学論文を批判的に読み、トレーニングを行う。
医学生、レジデント、大学教授の先生の3人による質問や回答の会話形式で、親しみやすく解説されている。
その会話は、卒業を控えた実習中の医学生が執筆した。


2020年02月03日
「新型コロナウイルス肺炎」について記事を掲載しました。

PDFダウンロード

現状の評価
中国の今後
日本の今後
今後の予測
ドイツにおける無症候例からの感染
アメリカ1例目


2020年01月31日
「新型コロナウイルス肺炎」について記事を掲載しました。

PDFダウンロード

新型コロナウイルス肺炎患者の特徴(2020年 1月 22日まで)
今後の予測


2020年01月27日
「新型コロナウイルス肺炎」について記事を掲載しました。

PDFダウンロード

1.潜伏期間3日(〜6日)
2.死者数倍化時間 2日
3.R0, 2以上

添付記事にその根拠と私見を述べました。情報が不確実な中、Lancet 中にあるデータを深読みすると、SARSと似ているところと異なるところが見えてきます。つまり、我々は2003年SARS を封じ込めることができたのだから、今回も大丈夫と考えるのは危険だということです。まだまだ判らない部分、不確実な部分があります。

危機管理は最悪のシナリオを想定して初動に踏み切ることです。意思決定者の参考になることを期待しています。

SARS 感染症疫学の見地から」もあわせて参照ください。


2019年04月11日
ビタミンDによる癌患者さんの再発死亡の予防試験の論文がJAMA (アメリカ医師会誌) に掲載されました

PDFダウンロード

4月9日、私達が約10年かけて継続してきたビタミンDによる癌患者さんの再発死亡の予防試験が 終にJAMA (アメリカ医師会誌) に掲載されました(2017年のインパクトファクターは48点です)。 JAMA. 2019;321(14):1361-1369. doi:10.1001/jama.2019.2210

Effect of vitamin D supplementation on relapse-free survival among patients with digestive tract cancers: The AMATERASU Randomized Clinical Trial
(消化管癌の患者さんにおけるビタミンDサプリメントの無再発生存率に及ぼす影響:アマテラス・ランダム化臨床試験)
https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2730111

背景
ビタミンDは骨を丈夫にする栄養素の1つとして知られていました。 しかし、2000年代頃より、血清ビタミンDレベルが低いと、様々な疾患発生を引き起こすのではないかという観察研究の報告が相次ぎました。 例えば、癌の患者さんと癌ではない患者さんの血清ビタミンDレベルを比較すると、癌の患者さんで明らかに低い傾向にありました。 さらに癌の患者さんの中でも、ビタミンD血清レベルが高い方が低い場合に比べて、再発率、死亡率が低い傾向にありました。

そのメカニズムとして、血清中のビタミンDを癌細胞が取り込み、細胞内部で活性化し、 これがビタミンD受容体と接合し、核内受容体としてDNAに接着し、その下流にある様々な遺伝子の発現を調整することが実験研究などで示唆されています。 あるいは、病理学的検討で、免疫を介したメカニズムなのでは?という説もあります。

ビタミンDの血清レベルを上げるには、太陽のひざしにあたるだけで十分です。 太陽にあたるか否かが一番大きな要素ですが、干しシイタケやサケや青み魚を沢山食べる、 ビタミンDのサプリメントを摂ることでもビタミンDのレベルは上がります。 ですから、血清ビタミンDが低いことで、癌になりやすかったり、癌になっても再発しやすかったりするのであれば、 ビタミンDの血清レベルを上げるのはとても簡単なので、癌の発症を予防できるかもしれませんし、癌になっても再発・死亡率を抑制できるかもしれません。 特にビタミンDサプリメントは極端な大量摂取でもしない限り副作用はありません。サプリメントの値段が高いという人でも、 日光にあたれば血清ビタミンDレベルを上げることができるので、タダで癌の発症を予防したり、 癌になっても再発し難くなるというのであれば、こんなによいものはありません。

しかし、癌が再発する前兆として血清ビタミンD濃度が低い可能性もあります。 この場合、ビタミンDレベルが低いことが原因で再発するわけではなく、再発することでビタミンDが低くなる、 ただ癌が再発して大きくなるまで多少の時間がかかるので、一見ビタミンDレベルが下がるのが先だから、これが癌発症や再発の原因のように見えてしまう。 つまり原因と結果が逆転しているのです。 また、本当は日頃より運動すると癌の発症や再発・死亡を予防できると仮定してみましょう。 外で運動する結果、陽にあたる機会が増え、血清中のビタミンDレベルが上がる。 そうすると、ビタミンDには何の効果もないにもかかわらず、あたかも関係するかの如く見えてしまう可能性もあります。 このように観察するだけの研究では、様々な因子が交絡しているため、血清ビタミンDレベルが低いと癌の発症率が上がる、 癌患者さんの再発・死亡率が上がるという因果関係を結論づけることはできません。

血清ビタミンD濃度が下がることが原因で癌が再発するのか、あるいはその逆なのかは、 ビタミンDサプリメントを使ったランダム化プラセボ比較試験を実施することで明らかにすることができます。

そこで我々はビタミンDサプリメントを1日2,000IU 飲むことで、消化管癌(食道、胃、小腸、大腸)の再発・死亡を減らすことができるか を、 二重盲検ランダム化比較試験により明らかにしようと考えました。 日本発のビタミンD試験⇒日光⇒太陽神⇒日本の神話:天照大御神と連想し、この研究をアマテラスと命名しました。 最初の研究計画書は2018年に作成しましたが、予算を集めたりといったことで多少時間を要し、最初の患者さんのエントリーは2010年の1月からとなりました。 あとはひたすらデータを蓄積し、予定の400人の患者さんに研究に参加いただいた時点で登録を終了し、2018年の2月に試験を終了しました。 今考えると10年がかりの研究です。 我々が研究を開始したあとになりますが、アメリカで癌の発症予防を目的としたVITAL 試験、 フィンランドでも類似研究のFIND 試験が開始され、世界での競争がはじまりました(Science 337: 1476-8; 2012)。

方法
417人の癌患者さんをビタミンDのサプリメント(1日2,000IU)を内服する群251人と プラセボ(見た目も味も全く同じカプセルだが、ビタミンDが入っていない偽サプリメント:このことでサプリメントを渡す 医療者も患者さん側もどちらを内服しているか判らない、いわゆる二重盲検法)群166人にランダムに振り分け、 どちらの群で再発あるいは死亡が多いかを観察しました。

結果
ビタミンD群に振り分けられた患者さんのうち77%の方々は再発なくご存命でした。 一方、プラセボ群では、69%でした。 その差は8%ありますが、残念ながら統計学的に差があるとは結論できませんでした。

たまたまなのですが、ビタミンD群はプラセボ群に比べ、年齢が高い傾向にありました。 年齢が高い方が再発・死亡率が高いので、これで補正すると、この8%は統計学的に有意に違うという結果になりました。 我々は最初、この結論で論文投稿しました。 しかし1月1日の朝、JAMA の編集部より、「補正は研究計画書には記載されていない、結果が出そろってからの解析だから後付け解析で、これを結論にするのはまずい。 逆に、補正しない結果を結論とするのであれば、採択の可否について議論を深めたい」とのメールが届きました。 JAMA に投稿したのが2018年の8月31日でしたから4カ月経ち、そろそろJAMA の編集部に催促のメールを書こうと思った矢先のことです。 早速Agree という返信を打ちました。 1月11日、JAMA より200に及ぶコメントが返ってきました。 1つ1つが鋭く芯の有るもので、あたかも「高校生の私が巨人軍のキャンプ地で入団を願い出て、 これからのノックをエラーなく全て1塁に送球できたら2軍への採用を考えてやろう」と言われているようなものです。 しかも期限は2週間。さらに2回、編集部とのやりとりを経て、やっと受理にこぎつけました。

誌上発表
日本時間の2019年4月10日深夜0時、AMATERASU の結果は、JAMA に誌上発表されました。 驚いたことに、ハーバードのダナ・ファーバー癌研究所の研究チームも手術適応外の進行大腸がんに対する ビタミンDの効果をみる二重盲検ランダム化プラセボ比較試験(SUNSHINE)を発表していました。 我々の研究では手術適応のある患者さんを対象としていたので、相互に補完的です。 しかし、結果の方は驚くほど類似していました。 全体としては差がないが、補正するとビタミンDが癌の進行を抑えるという結果です。

JAMA とすれば、世界の2つの異なる地域から同時に提出された論文の結果がこれだけ類似していれば、信ぴょう性が高まりますし、 世界の医療に与えるインパクトも大きいということで、同時掲載の運びとなったのでしょう。 ただ、論文を投稿してから査読が終わって編集部から回答を得るまでに1ヵ月〜2カ月が普通なのに、 今回査読に4カ月かかったのは、ハーバードの結果がでるのを待ったのではないかと感じています。 しかし、考えようによってはハーバード大学と肩を並べて競えるところまできたともいえるので、感無量です。 おまけに、JAMA 編集部はAMATERASU とSUNSHINE を解りやすく解説した総説を書き、解説ビデオまで作製してくれていました。 私は一切伝えていないのに、ビデオの中で歌川 国芳の描いた天照大御神が登場したときは、思わず笑ってしまいました。

VITAL の方もハーバード大学の研究で、25,000人のアメリカ人を対象にビタミンDサプリを内服する群と、 プラセボ群にランダムに振り分け、ビタミンDが癌の発症を予防できるかをみるものです。 今年の1月にNew England Journal of Medicine に誌上発表されました。結果は予防しないでした。 しかし、本文を読むと、body mass index (BMI) が25未満で正常の人達だけに解析を絞ると、ビタミンDは癌の発症を24%予防していました。 アメリカ人ではBMI が25以上の過体重・肥満の方が普通なので、差が無かったが、 この研究を日本で実施していたらビタミンDは癌の発生を抑制していたかもしれません。 また、サプリ開始2年以降のデータのみで解析すると、がんによる死亡を25%も予防できていました。

つまりVITAL、SUNSHINE、そして我々のAMATERASU、3つの研究はいずれもビタミンDサプリが癌の発生、 予後改善に寄与していないという結論となりましたが、細かくみるとまだまだ可能性は残っていると感じています。

これから
現在、後付け解析を進めています。 また一度ボストンにあるハーバード大学にでむいて、VITALとSUNSHINE、そして我々のAMATERASUを合わせるメタ解析の相談にいってこようと考えています。

つづく


2018年06月14日
出版のお知らせ

ハーバード留学の際「。。。医師は薬の処方ができるのは当たり前、食事や運動などの生活処方ができて一人前。。。」という言葉に感銘を受けました。
その後、食事や運動のエビデンスを集め、やっと出版に至りました。


外来でよく診る
病気スレスレな症例への生活処方箋
エビデンスとバリューに基づく対応策
外来でよく診る病気スレスレな症例への生活処方箋エビデンスとバリューに基づく対応策

浦島充佳著
ISBN: 978-4260035934
発売日: 6月18日


第1章【高血圧症】
 血圧が高めなので薬を飲んだほうがいいですか?

第2章【脂質異常症】
 検診で血清脂質の異常を指摘されました。心筋梗塞や脳卒中が心配です。検査値を良くする方法はありますか?

第3章【肥満症】
 体重を減らしても、すぐにリバウンドしてしまいます

第4章【糖尿病】
 検診で血糖値がやや高いことを指摘されました。糖尿病は予防できますか?

第5章【慢性閉塞性肺疾患(COPD)】
 階段を登るときや歩いているとき、息が上がります

第6章【閉塞性睡眠時無呼吸症候(睡眠時無呼吸症候群)】
 寝ているとき「いびきがうるさく、時々息が止まる」と妻に指摘されました

第7章【過敏性腸症候群】
 左下腹部の痛みと、軟便が数ヶ月続いています

第8章【一過性脳虚血発作】
 軽い脳卒中を起こしましたが無事に退院できました

第9章【安定狭心症】
 運動時に胸骨の下あたりに違和感があります

第10章【骨粗鬆症】
 保健所で骨の検診を受けたら骨粗鬆症と言われました

第11章【椎間板ヘルニア】
 重いものを持ち上げたとき腰を痛めました

第12章【肩痛(肩インピンジメント症候群)】
 お皿を棚の高いところに戻すとき肩が痛みます

第13章【膝痛(膝の骨関節炎)】
 階段の上り下りをする際、膝が痛みます

第14章【軽度認知症(認知症)】
 最近良く物忘れをするんです

第15章【がん】
 大腸がんを予防したいのですが、スクリーニング検査を受ければ十分ですか?


2017年01月13日
東京マラソン

2月26日 東京マラソンにチャリティーランナーとして参加します。
今年は6回目ですが、自己ベスト更新にチャレンジです。


2016年2月11日
ジカ熱と小頭症との因果関係を強く示唆する論文が発表されました。

ジカウイルスの存在は1947年より知られていましたが、アフリカから東南アジア、ミクロネシア、中央〜南アメリカに感染範囲を広げてきました。同時にジカウイルスは、環境に適応するため遺伝子変異を繰り返してきたものと思われます。特にNS1とNS4Bに遺伝子変異が生じたことにより、感染力をましブラジルを中心とする大規模アウトブレイクにつながったものと思います。また、同変異により神経親和性を増し、小頭症やギランバレー症候群の合併頻度が急増したとも推定できます。
下記PDFファイルには上記根拠とジカ熱対策の予想される問題点についてコメントを記しました。
ジカ熱と小頭症(PDF)


2015年09月01日
出版のお知らせ

医師が知りたい医学統計
よりよいEBMの実践
医師が知りたい医学統計

浦島充佳著
ISBN: 978-4489022173
発売日: 9月10日


原因論(Causality)、相関関係(association)、因果関係(causal relation)をはじめ、以下の目次の内容になります。

第I部 仮説醸成
Chapter.1 原因論:Causality
Chapter.2 地理情報システム:Geographic information system
Chapter.3 Case Series Report
Chapter.4 エコロジカル研究:Ecological study

第II部 生物統計できった医学研究
Chapter.5 標本分布:Sample distribution
Chapter.6 推定と推論:Inference and Hypothesis testing
Chapter.7 Student's t test
Chapter.8 二項分布:Binomial Distribution
Chapter.9 Poisson Distribution
Chapter.10 対象数:Sample size
Chapter.11 線形回帰:Linear Regression
Chapter.12 ロジスティック回帰:Logistic Regression
Chapter.13 生存解析:Survival Analysis
Chapter.14 メタ解析:Meta-analysis

第III部 疫学できった医学研究
Chapter.15 Risk
Chapter.16 2×2表:Two by Two Table
Chapter.17 ランダム化比較試験:Randomized controlled trial
Chapter.18 多変量解析:multivariate analysis
Chapter.19 層別解析:Subgroup Analysis
Chapter.20 記憶バイアス:Recall bias
Chapter.21 Screening biases
Chapter.22 紹介バイアス:Referral bias
Chapter.23 過剰診断:Overdiagnosis
Chapter.24 標準化:Standardization
Chapter.25 用量依存性:Dose-dependency

以下、本に載せきれなかった章をPDFで公開しております。
infectious disease (716KB)
Nonparametric (272KB)
Baye's theorem (407KB)
Cohort study (715KB)
Case-control study (217KB)
Early stopping (302KB)
Dead heat (362KB)
Tipping point (373KB)


2015年02月20日
出版のお知らせ

みんなが信じている健康法のウソ
みんなが信じている健康法のウソ

・糖質制限ダイエットはリバウンドしやすい。
・健康診断を受けても寿命は延びない。
・体に悪いサプリメントもある。
これらは全てエビデンス(臨床医学データ)に基づいた真実です。

正しい知識があれば、病気になるのを防げます。
医者が研究したデータに基づいた、正しい健康法のうち、日常、簡単にできることだけをリストアップ。

PM2.5やアレルギー対策、グローバルヘルスなど、気になる最新情報も満載。

眉ツバ健康法にはもうウンザリ、という方にこそオススメです!

浦島充佳著
ISBN: 978-4838727254


 
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