出荷制限値100Bq/kgは厳守しつつ地元民の目安としての摂取制限値の検討へ

『女性自身』3月3日号の掲載記事について

2月17日に発売された雑誌『女性自身』3月3日号に、地域シンポジウムについての記事が掲載されました。記事に取り上げて頂いたことに感謝いたします。ただし、その見出しに、「東電支援の福島“洗脳シンポジウム”ルポ」とありましたが、地域シンポジウムはあくまでも、地元の人たちが感じている問題を、当事者を中心に関心のある人たちで議論する場です。決して安全性の結論を押し付けるのものではなく、地元の人たちが福島での生活における安全・安心をどのように考えているのか、どのような変化を望んでいるのか、そのために何が必要か、さまざまな意見を出し合うことを目的としています。会場で使用され、記事にも指摘のありました「赤・青カード」は、参加者が、挙手して意見を述べるよりも気軽に意思表示できるようにするための、主催者側の工夫として用いました。シンポジウムのなかでも、意見の多様性が確認できる場面がありました。知識を試すかのように受け止められたことを申し訳なく思います。たとえば「損失余命」の考え方を理解できたかどうかではなく、賛成できるかどうかを問うべきであったかも知れません。
会場で実際に議論に参加された記者に、シンポジウムの主旨が伝わらなかったことは、非常に残念です。同時に、結論を出すことにこだわったのではないかとの誤解をうむ要素があったことは、今後に活かすべき反省材料として真摯に受け止めています。安全性やリスクの議論はひとつのイベントによって結論が出るものではありません。絶えず対話を続けていくことが重要であり、議論の積み重ねそのものがリスクコミュニケーションであり、まずは皆で率直に話し合おうというメッセージを出そうとしました。さまざまなご指摘に活動を省みながら、これからも、その努力を続けていく所存です。
最後に、見出しにもある「東電支援」について、補足します。東京電力が、リスクコミュニケーション活動の一環として、本シンポジウムの費用の一部を負担していることは、事前告知の通りです。しかし、企画や議論の内容、およびシンポジウムでの発言・意見は、すべて、発言者個人に帰属します。記事で示唆されているような「国や東電」の意見が反映されたものはないことを、改めて明言します。
シンポジウムについて、登壇された越智小枝医師が記事を書きました。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42929
当日の様子は、こちらのビデオでご覧いただけます。 https://www.youtube.com/watch?v=rrpY2bQ1PgA
シンポジウムの実施レポートはこちらからご覧になれます。
第2回地域シンポジウム 実施レポート
2015年2月17日 地域メディエーター 半谷輝己